サプリメントについて

最近のTVには健康番組、医療情報番組が多く、そこで紹介される食事や運動、生活習慣などが直ぐに広まります。同様に健康食品、サプリメントもこの種の情報源によって評判となり、市場が拡大し続けています。サプリメントの本来的な意味は、何かを加えて完全にすることです。現在60歳以上の日本人は学童期に給食で肝油ドロップを食べた記憶があると思いますが、肝油はビタミンA、ビタミンDなどを主成分としたサプリメントの一種で、戦後の貧しい時代に栄養不足を補うため配布されていたと考えられます。      現代の健康商品は栄養不足の時代とは違った目的で、老化防止、ガン予防、認知症予防、ダイエットなどが売りです。ある成分や栄養素の有効性がTVやネットで話題になると関連サプリメントが直ぐに商品化されます。比較的息が長いのはブルーベリー、コンドロイチン、グルコサミン、コラーゲン、セサミンなどでしょうか。バナナダイエット、納豆ダイエットが話題になると、翌日、スーパーの棚からそれらの商品が売り切れることがありました。関連する業界が裏でコントロールしているのではないかと疑うこともありますが、こうした動きを止めることは難しそうです。                  最近受診した膝関節痛の70代男性患者さんから「変形性膝関節症にアボカドが有効だとTVで紹介していたがどうか」と聞かれました。私はその情報を知りませんでした。私はサプリメント、健康食品の是非を相談された場合、「良いと思ったら3ヵ月位続けたらどうですか?その上で効果的と思ったら継続。変わらなければ止めて、その替わりに好きな物でも食べたら良いです」と答えています。国が認可する薬は成分と薬効が基準を満たし有効、一方のサプリメントには基準はありません。現代人はよく『科学的根拠は・・』と言いますが、サプリメントの効果については個人差もあるし、気分もあるので全く否定はしません。では害があるか?何でも過剰摂取は危険です。毒ではないだろうが宣伝ほどには効果ないかもしれません。健康維持のためには過剰な情報に惑わされずバランスが大事で、色々な種類の食物を摂取する。あとは、昔かの教えである、早寝、早起き、腹八分目、適度な運動が基本だと思います。  〈財界さっぽろ2018.5号〉

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